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1999年からの環境行動委員会の活動を発展させる目的で、「JIA環境行動ラボ」が発足しました。さっそく環境省の平成21年度「21世紀環境共生型住宅のモデル整備による建設促進事業」に係わる調査検討業務」の企画競争で「JIA環境行動ラボ」の企画案が選定されました。 |
2008年2月16日 建築家会館大ホール |
設計の善し悪しではなく、設計料の安い方が選ばれるという設計入札が未だに根絶されていない公共事業で、ついに金額ではなく設計者の能力で選べる道が開かれました。昨年11月に施行された環境配慮契約法は、日本建築家協会が長年にわたり主張してきた、望ましい設計者選定へのターニングポイントとなる極めて重要な法律です。今年初めてのシンポジウムは、この環境配慮契約法が発注者や設計士に徹底されるべく実施されるもののキックオフとなります。 基調講演は、環境配慮契約法の成立に尽力された参議院議員の川口順子さんによる「低炭素社会実現にむけた社会システムの構築へ」。議員立法で成立した経緯もあり、元環境庁長官という立場をはるかに越えて川口さんが民間企業におられた時代からライフワークとして取り組んできた環境問題を、立法府の立場からこの法律で実現させた信念を感じさせる講演でした。 |
パネルディスカッションでは、環境省の小林光さん、国土交通省の田中晃さん、東京都の山本康友さん、日本建築士会連合会の小黒利昭さん、日本建築家協会からは河野進さんと善養寺幸子さんが出席し、モデレーターを環境行動委員会の中村勉委員長が務めました。小林さんは建築設計における設計の質の対価が法で認められた点を、田中さんは国と独立法人の発注が環境配慮契約法プロポーザルに移行する事を、山本さんはすでに東京都独自でおこなってきた事と今後の展望を、小黒さんはイギリスの例を紹介して更なる進展を、河野さんは地方公共団体の設計入札からの脱却を、善養寺さんは設計者の意識改革を特に強調されました。 |
モデレーターの中村さんは環境配慮契約法が大きなパラダイムシフトになることを踏まえて、会場の参加者からも多くの意見を求めて議論を進めました。地方から参加者された方々から、公共建築のプロポーザルでは未だに環境への配慮が重要視されていない現状や、環境配慮契約法を地方公共団体や民間工事にまで広げていかなければ意味がないという意見が多くだされました。 |
2007年12月1日 JIA館1階ホール |
2007年の環境建築連続セミナーの最終回は、「建築・都市における音環境のデザイン」をテーマに、年末特別企画として音のパフォーマンスがいっぱいの楽しい催しとなりました。 |
まず音響学の橘秀樹さんから、音の情報性、芸術性、社会性という分類ごとに非常に分かりやすい説明がありました。人の耳に聞こえる音域は狭いと思っていましたが、目が識別する光のレンジより広いと知って驚きました。芸術性では演奏中の音楽家同士が聞いている音についての最新の研究が紹介され、新幹線をホームで待っていて品川駅が東京駅より疲れない理由など興味の尽きないお話しでした。 |
サウンドデザイナーの野川和夫さんは、ランドスケープから派生したサウンドスケープの概念を、OZONEや東京ミッドタウンなどの具体的な作品の実演を通して紹介しました。これまでの環境音楽ではなく、音楽にならずシンセサイザーを使わずに構成された作品は、自然音と火箸などを音源にして驚くほど綿密に構成されていることを知りました。それらが自然や人体のリズムから導き出されていることは環境建築にも共通する視点です。 |
お二人の講演とディスカッションの後に、同じ会場でレセプションをおこないました。橘さんのハンドベル独奏や大勢での演奏など、早くもクリスマスが来たような楽しいひとときでした。講師のお二人をはじめ、参加して下さった皆さまに感謝いたします。 |
2007年11月23日 東京ビッグサイト西展示場 |
昨年に続いて「エコビルド2007」のセミナーを環境行動委員会が担当して、今年は21日と23日におこなわれました。今回のエコビルド展では、前月のJIA建築家大会2007東京でおこなった特別展示に出展されたパネルや模型が期間中展示され、23日の午後に「2050年再生に向けて」として4時間のセミナーを中村勉さん篠節子さんと私でおこないました。 |
2007年11月 建築ジャーナル |
日本建築家協会の環境建築賞は2000年からスタートし、今年で第8回を迎えます。受賞作品の数も増え、建築の設計において環境を考慮するのは当たり前という意識も定着してきました。そこで環境行動委員会では、全国にある環境建築を精選して設計のポイントを整理したガイドブックを編集して出版しました。 日本列島の北海道から沖縄まで、それぞれに気候の異なる各地で建築家が真剣に環境と向きあって設計に心血を注いだ 293の建物 が1ページずつ 紹介 されています。建物ごとに環境配慮のポイントや見どころやアイコンがあり、巻末の建築用途別インデックスを併用すると、これまでに実現している環境への取り組みが、風土と用途から理解できるように工夫されています。 良い建築は実際に現地に身を置いて五感で感じとらなければ分かりません。環境と建築に興味のあるすべての皆さんに、このガイドブックをミシュランガイドのように気軽に持ち歩きながら、一人一人に何ができるかを考える参考にしてください。送料無料の後払いとなる申込用紙は こちら から。 |
「環境建築は今!」×「2050年をデザインする」クロストークセッション 2007年10月19日 東京国際フォーラム |
日本建築家協会の年に一度の全国大会「JIA建築家大会」の2007は、JIAの20周年記念大会として10月17~20日に東京国際フォーラムを中心におこなわれました。 大会のテーマは「環境の世紀と建築家 2050年再生に向けて」なので、4日間に50以上あるプログラムの半分近くが環境関係のものとなりました。環境行動委員会では、多くない委員が担当を分担して総動員で臨みました。私は、会期中展示された「環境建築は今!」のパネル展と「2050年をデザインする」展示会の参加者によるクロストークのモデレータとして、3回のパネルディスカッションをおこないました。 |
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高橋てい一さんの「私は環境建築という言葉が嫌いで使いたい材料を使うだけ」との発言でセッションが始まりました。清水さん中村さんの作品紹介と南さんの自立循環型住宅の説明の後に、野沢さんも加わって高橋てい一さんの「あいち海上の森センター」が優れた環境建築なのはどうしてかの議論となりました。声高に環境を叫ぶのではなく、建築家本来の職能のなかに環境の観点があるという結論はとても示唆に富んだものでした。 |
小林さんから京都議定書が合意した会議での裏話とともに、達成に向けての国の考え方の説明があり、大野さんと糸長さんの2050年のビジョン、甲斐さんから現状が紹介されました。中村さんから次世代の環境建築のビジョンが示され、2050年の視点から現状の問題点を探りました。コミュニティや人口縮小、自然と人のバランスとた問題とともに、持ち家政策がもたらした問題点が指摘されました。官学民の立場を越えた充実した議論になりました。 |
2007年10月 彰国社 |
環境行動委員会が続けている「環境建築連続セミナー」の昨年の成果をまとめた本が出版されました。書名や表紙のデザインはだいぶ異なりますが、一年前に出版した「環境建築読本」の続編になります。 セミナーのテーマが環境工学の視点から、新しい環境建築のパラダイムを探る段階に移ったことから、今回の本ではそれぞれの立場から2050年のビジョンを掲げる実践者による6回のセミナーで構成されている。 地球環境の危機を感じつつ、研究や学習から実践を踏まえたビジョンを構築する段階に進まなければならない私たちにできることを共に考えましょう。 |
サステナブル建築セミナー「地球環境時代の住宅のつくりかた」 2006年10月21日 東京ビッグサイト |
エコビルド2007のセミナーで環境行動委員会の委員によるパネルディスカッションをおこないました。寺尾信子さん、濱田ゆかりさん、善養寺幸子さんと井口直巳、司会の伊藤正利さんの全員が日頃から研究活動を共にしている環境行動委員会の委員ということもあり、住宅に焦点を当てながら各自の設計活動を色々な視点で紹介しました。満席の会場からも多くの質問が出されて充実したディスカッションになりました。 |
2006年4月8日 建築家会館1階ホール |
国土交通省の総合技術開発プロジェクトとして4年の歳月をかけた研究の成果を、実用的な設計手法の解説書としてまとめた
「自立循環型住宅への設計ガイドライン」
は今日における住宅設計のバイブルです。その執筆にかかわられた鈴木大隆さんから、ガイドラインの中核をなす「要素技術の適用手法」について詳細な解説と、設計実務での活用にとても参考になる説明がありました。 このガイドラインは実用書として優れていますが、やはり当事者の方から直接聞く機会が得られたことで、この本の目的と活用法が非常に明白になりました。後半のパネルディスカッションでは井口直巳建築設計事務所の作品を参考事例として紹介しながら、ガイドラインのポイントと具体的な設計の関係について議論をおこないました。 このガイドラインの普及のために多くの 講習会が全国各地で開かれ現在でも続いています。 これからは内容の習得の段階から、建築家自身が設計の発想の原点から各段階までの活用を議論していかなければならないと痛感しました。 |
2005年10月 彰国社 |
環境行動委員会が続けている「環境建築連続セミナー」の8回分をまとめた「環境建築読本」が彰国社から出版されました。この本では、エネルギーに関しての地球環境から建築にいたる広い視野の各分野を最もふさわしい専門家から学ぶことができます。 議論の末に真面目な書名になりましたが、建築家が設計をおこなうバックグランドとして必須の要点ばかりが、分かりやすく具体的に述べられているので活用してください。 |
ゼネコンの環境建築への取組み 2005年7月30日 建築家会館1階ホール |
環境行動委員会が続けている
環境連続セミナー
の2005年の第4回は、これまで交流の少なかった日本建築家協会と
日本建築業協会
の合同企画として7月30日におこなわれました。 環境建築は企画・設計から施工、竣工後から解体までのトータルで考えなければ意味がありません。そこで両協会の会員が一同に集まって土曜日の午後に5時間にもわたるシンポジウムとなりました。この日の内容だけで一冊の本になるのではないかと思えるほど多彩なテーマが展開され、日本では建築にかかわるあらゆる人や場所で驚くほど真剣に環境問題に取り組んでいる現状にあらためて驚かされました。 資料http://www.jia.or.jp/event/event/2005/06renzoku4.pdf |
登録建築家 |
井口直巳は、建築家に関する国際的な基準に基づいて認定要件を満たす建築家として認定する、登録建築家です。登録建築家ホームページではポートフォリオをご覧になれます。 |
新潟県中越地震による被災住宅第三次判定ボランティア |
日本建築家協会の全国の会員によるボランティア活動として代表井口直巳も参加した「三島町被災住宅の罹災証明発行に向けての第三次判定業務」が12月23日に無事終了しました。詳しくはこちら 。 |
JIA「建築家大会2004東京」 |
JIAの大会は各地を巡回するので、仕事を休んで毎年参加するのは難しいのですが、今年はセミナー、シンポジウム、見学会を2つづつ参加できました。全国各地で活躍されている建築家と同じテーマでディスカッションできる貴重な機会となりました 。 |
第1回環境建築賞 |
建築についての賞はいろいろありますが、日本建築家協会が地球環境時代の建築文化の向上を目的とし、環境を保全しながら高い質をもった建築を顕彰し、環境に配慮した建築の啓蒙と普及のために設けた環境建築賞に選ばれたのは、とても嬉しく思っています 。 |
賞状本文 「山梨のCD小屋」は環境の保全と開発に関する明確な理念に基づき 優れた発想と 卓越した技術をもって創られた建築であり 地球環境時代に新しい地平をひらく 優秀な作品と認め表彰します。
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「山梨のCD小屋」他受賞作品は「すまい・建築・都市の環境展 “エコビルド”」(2000年9月20日~2000年9月22日)、JIA館アーキテクツミュージアム(2000年12月)で展示されました。 エコビルド展について詳しくはこちら | エコビルド展会場風景 | JIA館アーキテクツミュージアム展示風景 |